女性のための保険、女性保険の選び方とポイント
2017/10/17
皆さんこんにちは。医療保険の中には、女性特有の病気に対して保障を手厚くした「女性保険」と呼ばれる商品があります。
今回は、この女性保険の選び方とポイント、注意点についてお話ししたいと思います。
初めに、女性保険とはどのような仕組みの保険なのか、少しお話ししたいと思います。
基本的な保障は、通常の医療保険と同じで、病気やけがで入院したり、手術を受けた時に給付金を受け取ることができるというものです。
これに女性特有の病気での入院や手術に対して、給付金の上乗せをする「女性疾病特約」が付加されたものが、世間で「女性保険」と呼ばれている保険です。
「女性特有の病気」と言うのは、子宮や卵巣にかかわる病気や、乳がん、帝王切開等も「女性特有の病気」に含まれます。
このような病気で入院をした場合や、手術を受けた場合にはその他の病気の場合よりも手厚い給付金が受取ることができます。
女性保険の必要性
ここで注意すべき点は、女性特有の病気は普通の医療保険でも保障される、ということです。医療保険の保障対象を広げたものではなく、医療保険の保障対象となっている病気の一部について、入院給付金等の保険金を増額させているものなのです。
つまり、考え方によっては保障が重複していると捉えることもできます。このような点から女性保険は不要だとする意見もあるようです。しかし、本当に不要だと断じて良いものなのでしょうか。
女性保険選び方のポイント
私は女性保険への加入を考えるうえでのポイントは、「保障内容を充実させることによる、保険料負担の増加を許容できるかどうか」というところにあると思います。
女性特有の病気が、通常の医療保険でも保障されるということを踏まえると、加入パターンは以下の2通りが考えられます。
- 通常の医療保険+女性疾病特約
- 通常の医療保険の保障額を増額する
どういうことなのか、入院日額5,000円の医療保険に加入を検討している場合を例に具体的に見ていきましょう。
ここでは保険料も比較したいので、アフラックの「ちゃんと応える医療保険EVER」と「ちゃんと応える医療保険Lady’s EVER」を使用して、シミュレーションをしてみたいと思います。
試算は、【被保険者:30歳女性、通院特約無し、三大疾病保険料払込免除特約付加、先進医療特約付加】という条件で行いました。
1、のパターンは上記試算条件で「ちゃんと応える医療保険Lady’s EVER」に加入するパターンで、通常の病気の場合は入院日額が5,000円ですが、女性特有の病気の場合には5,000円が加算され、入院一日あたり合計10,000円を受け取ることができます。保険料は毎月2,211円になりました。
2、のパターンは入院日額を10,000円にして「ちゃんと応える医療保険EVER」に加入するパターンで、女性特有の病気に限らず入院すれば一日あたり10,000円が受取れます。
保険料は毎月3,676円になりました。上記試算条件で「ちゃんと応える医療保険EVER」の日額5,000円コースに加入する場合は、毎月の保険料が1,891円ですので、入院日額を2倍にすることで保険料も約2倍になるということになります。
1、も2、も女性特有の病気で入院した場合に、一日あたり10,000円の入院給付金を受け取れるという点では同じですが、毎月支払う保険料に約1,500円の差が出ています。
この差額が許容できる方であれば、あえて女性保険に入らずに通常の医療保険の保障内容を充実させるというプラン(ここで言うと2、のプラン)を選んでも良いと思います。
一方で、女性特有に病気には備えておきたいけれど保険料はできるだけ抑えたいという人は1、のプランのように、通常の医療保険に女性疾病特約を付加するというやり方のほうが、毎月の保険料を抑えることができるので、そのような形態でプランを組まれるのが良いと思います。
やはり、『本当に心配な病気への保障は厚くしたいけれど、保険料は安くしたい』というニーズはあると思いますので、その場合の選択肢として「女性保険」は有効なのではないかと思います。
還付金のあるタイプはどうなのか
女性保険の中には、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「フェミニーヌ」のように、数年に1回還付金が受取れるタイプがあります。
病気への備えもしつつ、貯金もできるということで人気があるという話も聞きますが、実際のところこのような商品は「あり」なのでしょうか。
結論を言いますと、あえてこのような還付金のあるタイプには入らなくてよいのでないかと考えます。保障を得つつお金も貯まるというと、何となくお得な感じもしますが、実はこの還付金の分は予め計算されて、毎月支払う保険料に上乗せされています。
保険会社のサイトを見ると、「ボーナス」などと表現されていますが、決してボーナスではなく、自分が支払った保険料の一部が還ってきているということなのです。
貯蓄をするという意味でも、世間にはいろいろな貯蓄方法があり、より効率良く貯められる方法もありますので、どうしても入りたいという方以外にはあまりおすすめできない保険です。
複数商品の比較は必須
女性保険は、各生命保険会社が様々な商品を出しています。保障の内容や、給付金の受取り方等、保険会社によって取り扱いが異なるものもありますので、できれば複数の会社の商品を比べて、より理想に近い商品を選べるようにしてください。
もし保険の内容で分からないことや疑問点があれば、無料の保険相談サービスを活用してアドバイスを受けるようにすると良いと思います。